「ねえ、そのポケットに手を突っ込むクセ、なんなの？」
テーブル越しに向かい合って座るダニエルに指摘されてゴドフリーは我に返った。
いつからかは、わからない。返答に困った時や、わからないことなどがあると、ついポケットの中をまさぐってしまうのだ。手にすっぽりと収まるカードの束がそこにあるのを確かめると、取り出してめくっては何となく安堵する。
インスティトリス……。
またあの声だ。どこかで聞いたことがある、すすり泣くような女の声だ。
ゴドフリーはカードをめくった。
審判ね、とその声が言った。そうだね、と答えてダニエルを見ようと顔を上げると、白い輪郭がゆらゆらと揺れて女の顔になる。黒い瞳がこちらを見つめ、締め付けられるような胸の痛みを感じる。
次の瞬間、女の瞳よりも、その髪よりも、黒い渦が轟音とともにたちまち女を飲み込んだ。すべてが虚無と化したかのような静寂が訪れると、真空の中にスーテックが現れた。
後ろを見ろと言われたような気がして振り返ると、血まみれの王が立っていた。
声にならない叫び声をあげ、ゴドフリーは目を覚ました。
日時：2月16日（土）夜10時より開始
集合場所：サーペンツホールドのカウンセラーギルド
(六分儀座標: 153o 11′S, 115o 44′E)
※当日はニジェルムEMホールより集合場所までゲートを設置します。
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