新・ロイヤル・ブリタニアン銀蛇自警団 ~プロローグ~

ブラックソーン王は一冊のすすけたノートを手に取った。

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「T2Aブラックロック事件」最終レポート ~Happy団員著

我々は先日ついにカーラ・デスリンの仇ダークメッセンジャーに対峙する。T2Aで一連の事件の首謀者と思われる物を打ち倒すことができた。

しかし「死人に口なし」とはよく言ったものだ。首謀者が口を閉ざしたまま亡くなった為、我々は一連の事件についての詳細な事実を知る機会を失った。だが、亡くなった首謀者の死体を調べると一人の男の名前が出てきた。

これまでの事件を再び検証してみると、そこには我々の大きな勘違いが含まれていた事が明らかにされる。それは、エクソダスの復活と討伐からブラックソーンの復活したあの一連の事件とは別に、FoA(フォロワーオブアルマゲドン)の狂信者達、少数のある一派が引き起こした事件が進行していたという事だ。

勿論、カーラ・デスリンが亡くなった事件はエクソダスの復活劇と一見絡んでいるように見える。だが、詳細に物事を切り分けて考えてみると、エクソダスの復活と討伐に影響を全く受けずにT2Aに設けられた謎の祭壇が出来あがっていったのは両者が関係しているとすればおかしい話だし、ダークメッセンジャーがカーラから奪おうとしたスーテックの「ブラックロック発見装置の部品」がエクソダスの復活に本当に必要な物だったのかは疑問の余地が残る。むしろ、ダークメッセンジャー含む一派がブラックロックのエネルギーによって「エクソダスの復活」ではなく、「T2Aで何かしらの破壊工作」を企んでいたと考えた方が筋道が通るのではないか。

だとすれば我々銀蛇自警団は勿論、エクソダスの討伐にも貢献したが、本当はエクソダス復活とは関係の無い、もう一つのブリタニアの危機を救ったのかもしれない。我々はエクソダス討伐とは違う勝利を手にしていたのだ。それは自分たちの手でブリタニアを危機から守る、まさに「自警団」の仕事だったのではないか。私は今、そう考えている。

皆に配っていた夜警用の隠し酒。その最後に余った一本をグラスに注ぎ、口をつけてみる。この勝利の美酒のなんと旨い事だろうか。勿論、平和な時なんてのは一時だ。そんな事は分かっている。

しかし、今はこの美酒の旨さを味わいたい。 ファントム団長に乾杯! 銀蛇自警団のみんなに乾杯!
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ブラックソーン王はノートから顔を上げると、大きなマホガニー製のライティングデスク脇に控える男に視線を移した。

「それで、この男は今どこにいるんだね?」

ブラックソーン王の問い掛けにサー・ジョフリーが勢いよく敬礼すると、手入れの行き届いたプレイトメイルがカチャンという小気味良い音を立てた。

「はっ……。銀蛇自警団の団員はいつでも招集に応じられる状態です。陛下の仰せとあらば……。」

ブラックソーン王は右の手のひらをサー・ジョフリーに向け、彼の発言を制した。サー・ジョフリーは自らの勘違いに気付いて一瞬きまりの悪そうな表情を浮かべたが、居住まいを正すと咳払いをひとつして言葉を続けた。

「ファントム卿なる男のことであれば、どこの馬の骨ともわからぬやつでございます。我がロイヤル・ガードの真似事をして自警団を組織し、民衆を扇動したかと思えば自らの素性が明らかになることを恐れて行方をくらましたのです。」

ブラックソーン王は苦笑しながら立ち上がった。

「何を成し遂げた人物であるかについては注意を払うべきであるが、本人の出自はたいした問題ではない。それに……」

ブラックソーン王は更に言葉を続けた。

「素性がわからないのなら、調べれば済むことではないのかね?」

ブラックソーン王はノートを手に取り、茫然とするサー・ジョフリーとデスクの間をすり抜けざま、静かに言った。

「その男を探し出せ。それまで、これは私が預かっておこう。」

ドアが閉まる音を背中で聞きながら、サー・ジョフリーはただ立ちつくしていた。

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日時:5月16日(木)夜10時より開始
場所:サーペンツ・ホールドのカウンセラーギルド (六分儀座標: 153o 11′S, 115o 44′E)
※二ジェルムEMホールよりゲート設置予定

◆ 平日の定期イベント(毎月第3木曜日)のリバイバル第1回となります!
◆ ミッションを受け、自らの足で調査、情報収集を行い、レポートにまとめて提出します。
◆ イベントチャンネルVSS(#なし) にお入りください。
◆ 戦闘準備の上、お越しください。
ステイジアン・アビスを未導入の方は、イベントの一部を体験することができません。
◆ 予期せぬ出来事が発生するかも知れません!貴重品はなるべく持ち込まないよう、お願いします。
◆ 本イベントは階級を定め、貢献度に応じて定期的に団員の表彰を行うポイント制のイベントです。少しの変更を除き、基本的にはこちらに記載の情報を参照してください。ポイント加算や表彰制度については今後変更になる場合があります。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
  イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
  - イベント進行の妨害、かく乱行為。
  - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!