サンタが町にやってきた - クリスマス2010

サル(Sal)は激しい後悔の念にかられていた。 冒険者たちの努力も、Sonny(ソニー)の必死の弁解もむなしく、 ソニーはついに会社をクビになってしまった。 彼と、彼の妻、子どもたちは、今年のクリスマスをどのように過ごすのだろう。

サルにも家族があった。 サルはただ、安らかで平凡なクリスマスを迎えたかった。それだけだ。

甥のマイケルが突然サルを訪ねて来たのは先月のことだった。 「サル叔父さん、頼むよ。今年のクリスマスは車を買って彼女を喜ばせてやりたいのさ。 だけど保証人がいないとローンが下りないんだ。」 サルは一瞬躊躇したが、もうすぐクリスマスなんだ。そう考え直して書類にサインをした。

しかしマイケルはそのまま姿をくらませた。 あろうことかサルに残されたのは、車のローンどころではない莫大な借金だった。 夜毎サルの自宅にはチンピラが借金取りと称して訪れた。 妻はおびえ、子どもたちは泣いた。

そんな時だった。ふと、同僚のソニーの姿が視界の端に入ってきた。 美しい妻と2人の子どもと犬一匹に囲まれたソニーは、仲間内では一番の出世頭だった。 突如としてサルの心の中に激しい憎悪がわきあがった。 あいつはちょっと天狗になってるんだ。 少しくらい思い知ればいい。

ソニーと当直を替わったサルは、まんまとソニーを嵌めることに成功した。 金庫の金品を奪い、借金を返済した。

外は雪がちらつき始めている。

つい昨日のことだ。サルは同僚たちのソニーの噂話を小耳にはさんだ。 ソニーは今、町で子どもたちにプレゼントを配る仕事をしているという。 「あいつ、真っ赤な太った妖精の着ぐるみを、頭からすっぽりかぶって 町をうろうろしているのさ。とんだサンタだ。」 同僚たちは彼はせせら笑った。 サルはうつむきながら、手足の震えをおさえることができなかった。

ソニーを探そう。探して謝ろう。許してもらえるかわからないけれど。 もうすぐクリスマスなんだ。

サルは外套をつかむと、雪の降り積もる町へ太った妖精サンタの姿を求めて出て行った。

※12/25ごろまでトラメル、フェルッカそれぞれの町でサンタに出会える…かも?