サル(Sal)は激しい後悔の念にかられていた。 冒険者たちの努力も、Sonny(ソニー)の必死の弁解もむなしく、 ソニーはついに会社をクビになってしまった。 彼と、彼の妻、子どもたちは、今年のクリスマスをどのように過ごすのだろう。
サルにも家族があった。 サルはただ、安らかで平凡なクリスマスを迎えたかった。それだけだ。
甥のマイケルが突然サルを訪ねて来たのは先月のことだった。 「サル叔父さん、頼むよ。今年のクリスマスは車を買って彼女を喜ばせてやりたいのさ。 だけど保証人がいないとローンが下りないんだ。」 サルは一瞬躊躇したが、もうすぐクリスマスなんだ。そう考え直して書類にサインをした。
しかしマイケルはそのまま姿をくらませた。 あろうことかサルに残されたのは、車のローンどころではない莫大な借金だった。 夜毎サルの自宅にはチンピラが借金取りと称して訪れた。 妻はおびえ、子どもたちは泣いた。
そんな時だった。ふと、同僚のソニーの姿が視界の端に入ってきた。 美しい妻と2人の子どもと犬一匹に囲まれたソニーは、仲間内では一番の出世頭だった。 突如としてサルの心の中に激しい憎悪がわきあがった。 あいつはちょっと天狗になってるんだ。 少しくらい思い知ればいい。
ソニーと当直を替わったサルは、まんまとソニーを嵌めることに成功した。 金庫の金品を奪い、借金を返済した。
外は雪がちらつき始めている。
つい昨日のことだ。サルは同僚たちのソニーの噂話を小耳にはさんだ。 ソニーは今、町で子どもたちにプレゼントを配る仕事をしているという。 「あいつ、真っ赤な太った妖精の着ぐるみを、頭からすっぽりかぶって 町をうろうろしているのさ。とんだサンタだ。」 同僚たちは彼はせせら笑った。 サルはうつむきながら、手足の震えをおさえることができなかった。
ソニーを探そう。探して謝ろう。許してもらえるかわからないけれど。 もうすぐクリスマスなんだ。
サルは外套をつかむと、雪の降り積もる町へ太った妖精サンタの姿を求めて出て行った。
※12/25ごろまでトラメル、フェルッカそれぞれの町でサンタに出会える…かも?