いつものように王の寝室のベランダは傾きかけた夕日のオレンジ色に染まり、そしてこれもいつものことだが、ようやく午後の謁見が終了してひと息ついた王は控えのメイドに声をかけた。
「飲み物を……ワインの赤、いや、サングリアをもらおうか。シナモン入りのやつだ。今日は暑かった。」
メイドが一礼して去ると、王は書き物机の前の肘掛け椅子を手前に引いてやや大儀そうに腰を下ろした。謁見の列は引きも切らなかったが、良い知らせを持って来る者は少なかった。
「あなたがサングリアとはめずらしい。ヘクルスが聞いたらあんなものは邪道だと言って癇癪を起こしそうだ。」
青いメイジ帽からゆるやかに伸びた肩までの銀髪を、夕日にきらきらと反射させながら、声の主は本棚の影からすべるように姿を現した。
「スーテック。来ていたのか。」
慌てて客人用のグラスを取りに戻ったメイドを尻目に、王は金の縁取りとカオスの紋章入りのグラスを無造作に客人の前に押しやり、デキャンタから飲み物を注いだ。青いメイジは注がれた飲み物を無表情に見つめながら言った。
「用件を聞こうか。」
王は少し微笑むと、あれはどうしている?と問うた。そう、掃除人のことだよ。スーテックは少しだけ逡巡すると答えた。
「あまりよろしくない。部品が無いんだ。」
そうか、と王は短く答えて続けた。
「タイタンの脅威はまだ去ったわけではない。掃除人にはやってもらわねばならないことがある。」
スーテックはいくらか苛立ちを含んだ声で言った。
「あんなポンコツに? いたずらに他の貴重な部品の磨耗を早めるだけだ!」
「だが、君の思うようにはさせない。彼を捕まえたら君は即座に解体するつもりだろう?彼がもはや彼ではなくなってしまう事態だけは避けたい。それだけは許さんぞ。」
暗闇の中の導火線を探り合うような応酬の後、スーテックはあきらめたように言った。
「わかったよ。だが覚えておいて欲しい。あれは私の作品だ。わかるかね?類まれなる芸術品なんだ。」
王は、メイジの目の奥にちろちろと燃える狂気と偏愛の光からそっと目を逸らすように席を立った。その背中にメイジが声を掛けた。
「あんなポンコツ、人探しくらいが関の山だよ。」
王はわが意を得たりと言った様子で振り返り様に微笑み、メイジを視界に捕らえると言った。
「まさに、それだよ。」
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