「さ……。これが店と倉庫のカギだよ。使ったものはきちんと洗って元に戻しておいておくれ。」
アナスタシアは恰幅のいい初老の中年女性からからずっしりとしたキーリングを受け取ると、何度も深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。本当に何とお礼を申し上げてよいやら……。」
あの悪夢のような夜はもう一年近く前のことになるだろうか。スカラブレイの郊外の店を暴徒たちに強奪され、焼け落ちて行くかやぶき屋根から上がる火の粉を、ただただ茫然と見つめているしかできなかったのは。
若いころからコツコツと貯めたお金でやっと築いた小さな城を失い、途方に暮れていたアナスタシアを見かねて声をかけてくれたのがスカラブレイの居酒屋、 “The Shattered Skull” の女主人だった。何と彼女は店の定休日に、その店舗をアナスタシアのために解放してくれると言うのだ。
「旧知の仲を温めるもよし、たくさんの人と出会うもよし、良い縁はさらに良い縁を尋ねて発展してゆくものさ。 これを “縁尋機妙(えんじんきみょう)” と言う。」
「は、はい。」
一体なぜこの老婦人は、銀行前でたまたま顔見知りになっただけの私を助けてくれるのだろう? 何だかよくわからなかったが、とにかく昔の知人、友人、まだ見ぬブリタニアの市民に一人でも多く知らせることが、自分の使命のように思えた。アナスタシアはキーリングを握りしめ、顔見知りのタウンクライヤーの元へ走った。
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日時: 2月28日(木)夜10時より開始 場所: スカラブレイ “The Shattered Skull” (六分儀座標: 48o 41'S, 53o O'W) ※ 当日、ニジェルムEMホールよりゲートを設置します。
◆ 謎多きバーオーナー、アナスタシアが、“The Shattered Skull” の定休日を利用し、 看板のない居酒屋を営業します。 ◆ 皆さんとグラスを傾けながら、ブリタニアとその将来について思い思いに語り合います。 ◆ アナスタシアとその居酒屋について現在我々が得られた情報は以下の通りです。 - アナスタシアは大和のEM Asiantamと知り合いらしい。 - 他のシャードのEMがたまに飲みに来ることがあるらしい。 - たまにその場のノリで皆で出かけて店を空けてしまうことがあるらしい。 ◆ 予期せぬ出来事が発生するかも知れません!貴重品はなるべく持ち込まないよう、お願いします。 ◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールの上、 ミーティングを中止させていただく場合があります。 - ミーティング進行の妨害、かく乱行為。 - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。 ◆ 円滑なMeet & Greet 進行のため、皆さまのご協力をお願い致します。