銀蛇自警団番外編「シェリーの銀鼠自警団」

シェリーは憤慨していた。 あろうことか、ブラックソーン城で新王は猫を飼い始めたのだ。王もヘクルスもあの猫にすっかり骨抜きにされているけれど、シェリーに言わせればあんな根性悪の猫はいまだかって見たことがないのであった。

「名前はええと、ドム?と言ったかしら。王とヘクルスの前でだけいい子ぶっちゃって気に入らないったら!」

サーのいなくなったブリティッシュ城の狭いはずの詰所が心なしか広く思えて、大理石の床はますます冷たく、青みをおびているようにすら感じられるのだった。さりとてブラックソーン城にも自分の居場所などないのだ。シェリーは小さなため息をひとつついて詰所を後にすると、ブラックソーン城とは対照的にガランとしたブリティッシュ城をねずみの穴から穴を伝いながら丹念に見回りを済ませた。シェリーはかってのかの王の居室にある彼女のクッションの上に落ち着くと、幾多の時間を共有しながら彼女の前を通り過ぎて行った人々を思い出し、彼らよりもわずかに長く生きながらえた自分を少しだけ恨んだ。

「こんな時サーなら何て言うかしらね?」

ジョフリーは悪い人間ではなかったが、シェリーはやはり団員たちのことが心配だった。ジョフリーのスケジュールは3か月先まで埋まっていたけれど、閲兵式のためにドリル(基本教練)の練習だってしなければならない。いっそのこと自分が?いやいや、とんでもない!彼らはもはや「銀蛇自警団」の団員ではないのだ。王室直属のロイヤル・ガード特別部隊、「ロイヤル・ブリタニアン 銀蛇自警団」のメンバーなのだ。一介のネズミにしか過ぎない自分が彼らにドリルの手ほどきをするだなんて、そんなだいそれたことはできそうになかった。それにドリルともなれば、いつにも増して踏みつけられる危険性も増す。

シェリー。彼らは肩書きなんて気にしないさ。」

サーの声が聞こえたような気がしてシェリーは泣きそうになった。ええ、そうよね、わかってはいるけれど。

「じゃあいっそのこと、みんなが動物ならいいのかい?」

空耳なのはわかっていた。シェリーをからかうようなサーの明るい声を頭の中で聞きながら、少し考えてからシェリーは答えた。

「そうね。動物ならばね。」

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日時:11月22日(木)夜10時より開始 場所:今回はニュジェルムのEMホール、およびブリティッシュ城内の当イベントの詰所より、ガード圏内にあるイベント会場までゲートを設置いたします。

◆ 平日の定期イベント(毎月第3木曜日、今回は都合により第4木曜日)の番外編となります。 ◆ 本イベントは階級を定め、貢献度に応じて定期的に団員の表彰を行うポイント制のイベントです。 ◆ 今回は番外編となっており、レポートの提出は不要です。ドリル(基本教練)を行います。出席者はシェリーの安全性を考慮し、イベント会場では熊くらいまでの大きさの小動物、あるいは小さめのモンスターの姿に変身していただけますようお願いいたします。ポリモーフ(魔法)、アニマルフォーム(忍術)、ハロウィンコスチューム等、変身方法は問いません。ただし、猫以外でお願いいたします。 ◆ ペットはあらかじめ邪魔にならない場所に置いていただくか、厩舎に預けてくださいますよう、お願いいたします。 ◆ 本編再開に向けて試験的に出席を取らせていただきます。ご協力いただける方は下記方法でエントリーをお願いいたします。   - ブリティッシュ城内にある当イベントの詰所(六分儀座標: 1o 3′S 4o 42′E)のポストに本、またはアイテムをお入れください。本、またはアイテムについた差出人のお名前を出席登録させていただきます。   - 本にメッセージは不要です。アイテムは見づらいもの、高価なもの、著しく大きいもの、重たいもの、不衛生なもの、悪臭を放つものはご遠慮ください。また、投函後のアイテムの返却はできません。   - 登録を希望するキャラクター以外でお越しになる方は、著者名を希望のキャラクター名に変えた本をお入れください。   - 投函はイベント開始前1時間から受け付けます。イベント開始後30分でポストを撤去いたします。   - 上記の時間帯以外の投函、イベント中に存在が確認できないキャラクターによる投函は無効です。 ◆ イベントチャンネルVSS(#なし) にお入りください。 ◆ 戦闘準備の上、お越しください。 ◆ 予期せぬ出来事が発生するかも知れません!貴重品はなるべく持ち込まないよう、お願いします。 ◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、   イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。   - イベント進行の妨害、かく乱行為。   - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。 ◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!